羊子が趣味で書いた創作BL(ボーイズラブ)小説を掲載しています。小説には性描写が含まれますのでご注意ください。

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僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(16)

 本に夢中になるうちに、気づけば昼をずいぶん過ぎていた。  どれだけよどんだ気分でいても、しっかりと空腹はやってくるので成長期の体とは現金なものだ。  館内での飲食は禁止されているので、座席は確保したままで図書館の中庭に出た。短い夏の日差しを一ミリたりとも逃すまいと、たくさんの人...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(15)

 何気なく手に取った本だったけれど、読みはじめると夢中になって、時間はあっという間に経った。  ヒューゴの言葉を聞くまでは考えもしなかった、人の形をして人のように振る舞う機械を性的にまなざす人間の存在。それによって発生した問題への対処としての、性的な器官の分離。どうやら僕が思って...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(14)

 自分が何を気にしているのか、何に動揺しているのかがわからなくて、だからこそ不安になる。  食事が必須でないとか、定期的に法定点検を受けなければいけないとか、怪我をしても血が出ないとか、成長も老化もしないとか。僕は全部知っていて、でも深く考えたことはなかった。ほとんどの時間を家の...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(13)

 市販品で最高ランクの育児支援ロボットがこのような作りなのだから、サーシャの服の下も同じなのだろうか。少しがっかりした気分になる。  でも、どうしてがっかりするんだろう?  僕はサーシャがどんなアンドロイドより精巧に作られていて、完璧に役目をこなすことを誇りに思っていたのだ。いや...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(12)

 ヒューゴを乗せた黒い自動車が走り去るのを見送ると、どっと疲れがこみあげた。とても長い一日だった。しかも、念入りな準備もむなしく僕の秘密はばれてしまったのだ。  とぼとぼと重い足を引きずって階段を上りドアを開けると、早速はじまるのはサーシャのお説教。 「一体どうしたんですか。お友...