24. 王殺し
目を覚ました〈王殺し〉は、一瞬自分がどこにいるのかわからず混乱した。石の床に腹をつけて、いつのまにか眠っていたようだ。そういえば、粗悪な酒を飲んで眠った翌朝にもこんな気分になったことがあったかもしれない。頭は重く少しばかり痛むが、一方で体の奥がすっきりとしたような感覚もあった。
顔を上げると、そこには〈少年王〉がいた。しかしその姿は奇妙としかいいようがない。石の台座の上で上半身だけを起こしているが、その体には何もまとっていないどころか白い肌の至るところにひっかき傷や咬み傷といった、まだ新しく生々しい跡がたくさん残っていた。