これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第14話

洗い場の床に下ろしてもらってひと息つくと、急に寒さを感じて尚人は身震いした。体を穿っていた熱いものを失い触れ合っていた体から離れたことで一気に体温までも失われたようだった。 「ごめん、寒いよな」  体が急激に冷えてきたのは自分も同じだろうに、未生は尚人を気遣いながらあわてたように...
これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第13話

「あぁ……」  指とは違う、圧倒的に太くて熱くてなめらかなものに押し開かれる感覚に尚人は深く息を吐く。とめどない欲望を不安に思うくらいに毎週末に長い時間をかけて抱き合って、それこそ未生の《《かたち》》すら体で覚えてしまったつもりでいた。しかしベッドの中で向かい合ったりうつぶせたり...
これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第12話

「あ……」  ボディソープのぬめりをまとった未生の手にゆるく握られて、尚人のそこは大きく脈打ち体積を増した。どうやら思っていた以上に自分の体はこの瞬間を待ちわびていたようだ。自覚することにより羞恥心が増し、羞恥心は更に肌を鋭敏にする。 「ほら、でかくなった。まんざらでもないくせに...
これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第11話

かくして、尚人ははじめて未生と入浴するという状況に、しかも心の準備ゼロで放り込まれたのだった。 「そういえば一緒に風呂入るの初めてだよね。あのときも結局なんだかんだ理由つけて一人でシャワー浴びちゃったし」  未生が拗ねたような声色で蒸し返すのは、再会してからはじめて体を重ねた初夏...
これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第10話

せっかく具材を張り込んだにも関わらず、未生の言葉を気にした尚人は食事に集中できず、ろくに味も感じなかった。  土曜日の夜にセックスすることなど二人の間では不文律であるはずなのに、あらかじめ言葉にされるだけで過剰に意識してしまう。緊張した様子で箸の進まない尚人の様子に気づいているは...