まぶたに蜜|心を埋める(番外編) 2.栄 「……それとこれとは関係ありません」 ほとんど反射的に言い返しながら、栄は思う。こうして後になって恩を売るくらいなら、昨晩無理やりにでもやってくれたほうがましだったのに。そもそも栄が嫌だと言っても、自分の欲望を抑えられないときは強引にその気にさせようとするのが常なのに、なぜ昨夜... 2020.08.02 まぶたに蜜|心を埋める(番外編)
まぶたに蜜|心を埋める(番外編) 1.栄 重く力の入らない体が深い場所から引き上げられる感覚で、目覚めが近いことを知る。たった今まで見ていた気がする夢も、まぶた越しに照らす朝の光に霧散してしまったのだろう。 本当はまだ眠っていたい。激務に耐えた体は疲れ切っているし、今日は待ち望んだ週末。少しくらいの寝坊は許されるはずだ... 2020.07.27 まぶたに蜜|心を埋める(番外編)