まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

おまけ2のおまけ

 目を開けると、奇妙なことに視界が90度傾いていた。  今はいつだ? 起床して仕事に行く準備をしなくていいんだっけ? いや、確か今は週末の――そうだ、朝ですらない。  うっかり変な時間に眠り込んでしまったとき特有の混乱に襲われながら、やがて栄はここが自宅のリビングで、自分は配...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

おまけ2:土曜日の小話

 社会人にとってはこの世でもっとも幸せな曜日である土曜日。  一週間の労働からは解き放たれ、しかも日曜のように迫り来る月曜の影に怯えることもない。今の仕事にさしたる負担を感じていない羽多野にとってすら、この日の解放感は格別に思える。  今日も、特別ことは何も起こらない週末の一...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

おまけ1:後日談

※ジェレミーの裏側を暴く(?)お遊び要素強めのSSですので、「まぶたに蜜」のロマンティックな余韻を楽しみたい方は時間をおいてから読むことをおすすめします。 「栄さん!」  待ち合わせたのは前に話をしたのと同じ公園のベンチ。栄が近づくと、ジェレミーはにこやかに立ち上がっ...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

46.羽多野

「……ったく、いい年して大人げないんですよあなたは」  ベッドに横たわったままサイドテーブルに置いたフィンガーフードに手を伸ばす栄を、羽多野は微笑ましい気持ちで見つめる。  普段の彼なら「ベッドでものを食べるなんて行儀が悪い」と断固拒否するに違いないが、長い時間をかけてたっぷ...
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45.栄

 それはそれとして「スケベ心」なんて言い方はひどい。 「そういうんじゃないって、何度言ったらわかるんですか」  羽多野の膝に乗り肩に頭を預けたまま栄がぼやくと、触れ合った体を通じて小さな笑い声が響いてくる。 「本当に一ミリも?」  耳元で囁かれれば乾きかけた髪が揺れてくす...
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