まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

おまけ3:蝋の翼(後編)

 ――どうも、変な夢をみていた気がする。  カーテン越しに薄明るい朝の光が入ってくるのに羽多野は目を細める。酒には強いタイプだし体力にも自信がある。多少飲み過ぎようが睡眠不足だろうが寝起きが悪いことはほとんどないのだが、ざらりとした感触が体の中に残っていた。  そうだ、昨晩「...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

おまけ3:蝋の翼(中編)

 休憩時間の教室で、小さな頭が揺れるたびにふわふわと動くのは、白いレースでできたリボン。確か昨日同じ場所についていたのは、ピンク色のふわふわしたボール状の飾り。一昨日は……。  そんなことを考えながら揺れるリボンをぼんやりと見つめていると、きれいに結ばれたリボンにいたずらな手が...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

おまけ3:蝋の翼(前編)

「何度観ても良いよなあ、このノスタルジー」  大画面テレビを流れるスタッフロールを眺めながら、羽多野がいかにも感慨深そうな様子で安っぽい言葉を吐く。  夜のニュース番組が終わってからもつけっぱなしにしていたテレビで映画「スタンド・バイ・ミー」が始まり、流れで最後まで観てしまっ...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

おまけ2のおまけ

 目を開けると、奇妙なことに視界が90度傾いていた。  今はいつだ? 起床して仕事に行く準備をしなくていいんだっけ? いや、確か今は週末の――そうだ、朝ですらない。  うっかり変な時間に眠り込んでしまったとき特有の混乱に襲われながら、やがて栄はここが自宅のリビングで、自分は配...
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おまけ2:土曜日の小話

 社会人にとってはこの世でもっとも幸せな曜日である土曜日。  一週間の労働からは解き放たれ、しかも日曜のように迫り来る月曜の影に怯えることもない。今の仕事にさしたる負担を感じていない羽多野にとってすら、この日の解放感は格別に思える。  今日も、特別ことは何も起こらない週末の一...
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