神を屠る庭


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捕らえられた〈神の使い〉の世話役を務めるのは口をきくことができない青年。触れ合うことは禁断で…

山深い集落。長の次男であるセスは生まれつき口がきけないため人々からは白痴を疑われている。ある日セスは狩猟の場で崖にたたずむ見知らぬ男を見つけるが、人々は彼を山の神の使者だといい捕らえてしまう。一年のあいだ村で大切に扱われた後で、祭りの最後に神の元へ返されることとなっているのだという「神の使い」の世話役を任されたセスは懸命に自身の役割を果たそうとするのだが……。

※「雨を待つ国」のシリーズ作品です。ストーリーは独立していますが、前作の2人もメインの役どころで登場します。

目次

1. 手の鳴る方へ
2. 神の使い
3. 新しい務め
4. いましめと傷
5. 呼べない名前
6. 雨のあと
7. 花の名を君に
8. 聖なる欲望
9. 襲撃者たち
10. 美しい虜
11. 生贄と抵抗
12. おしゃべりな異物
13. 目覚める獣
14. 飲み込む言葉
15. 誤解の顛末
16. 最初の警告
17. ここでのやり方
18. 誰にも渡したくない
19. 予感は確信に
20. 契りの儀式
21. 愛を見る
22. 知られる怖さ
23. ひとりには戻れない
24. 祭りの終わり
25. 欲望の先
26. 喜び、そして糾弾
27. さよならと告白
28. スイの懊悩
29. 優しい嘘が消えたあと
30. たったひとつの方法
31. 神を屠る庭
32. 明るい月の夜に