神を屠る庭 2. 神の使い その晩の狩りは奇妙な終わりを迎えた。カイは断崖にたたずむ褐色の男を「神の使い」と呼び、仲間に協力させて捕まえにかかった。敵意もなさそうな見知らぬ男に乱暴をする意味がわからず、何かの誤解があるのだろうと思ったセスは止めに入ろうとする。だがカイは舌打ちをしてセスを突き飛ばした。「邪魔... 2017.11.19 神を屠る庭
神を屠る庭 1. 手の鳴る方へ 誰かが手を鳴らしている。大きな月が明るく照らす夜、遠くから聞こえてくる小さな音に気づいたセスは立ち止まった。そこは普通であればたやすく迷ってしまうに違いない夜の森。しかし代々この山深い場所で暮らしてきたセスの集落の人間にとっては、複雑な地形も夜の暗さもほとんど問題にはならない。彼らにとってこの森は庭のようなもので、月明かりさえあれば昼間と変わらず軽やかに動き回ることができる。 2017.11.18 神を屠る庭