きいろとあかと|心を埋める(番外編)

きいろとあかと|心を埋める(番外編)

第3話

そんなこんなで半ばやけくそというか、尚人の当てつけめいた気持ちに突き動かされて未生は飲み会への参加を決めた。 翌朝に「余計なことを言ってごめん」というメッセージを確認したときはそのまま床にへたりこみたくなった。要するに尚人は、未生が交友関係に口出しされたことに腹を立てていると思っ...
きいろとあかと|心を埋める(番外編)

第2話

「……未生くん、そろそろ起きなきゃ」 優しく肩を揺さぶられた未生ははっとして目を開ける。真上には見下ろしてくる尚人の顔。腕を上げると夏用のブランケットがはらりとめくれた。そして窓から差し込む光の角度は意識を失う前とは明らかに変わっていて――。「何時!?」 弾かれたように体を起こす...
きいろとあかと|心を埋める(番外編)

第1話

関東甲信越地方の梅雨入りが発表されたとある六月の土曜日、|笠井《かさい》|未生《みお》はどんよりとよどんだ瞳で総武線の車窓を流れていく雨粒を眺めていた。 講義とアルバイトで疲れ果てて快速に乗り換える気力もないからこのまま座って各駅停車に揺られ新宿で丸ノ内線に乗り換えようと決めるが...