僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(3)

全寮制の学校なんて、冗談じゃない。 一度は前向きなことを言った僕の急な翻意に、おじいさんもベネットさんも驚いたようだった。「アキヒコ、もしかしたらサーシャのことを気にしているのか」 きかれた僕は首を左右に振って否定した。「そういうわけじゃなくて……でも、僕の家はあそこだけだよ。お...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(2)

日曜日、おじいさんの家を訪れた僕の目の前に一冊のパンフレットが差し出された。「何これ」「学校のパンフレットです」 しらじらしい様子でベネットさんが言う。彼がこういう態度をとるときは、決まって何かを企んでいる。しかも僕にとって嬉しくないことを。十一歳というのはもう、そのくらいのこと...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(1)

「絶対に絶対に内緒だから、誰にも言うなよ!」 僕の袖を引っ張って教室の隅に連れて行くと、ベンは耳元に口を寄せてくる。息が当たるくらいの距離は、ちょっとくすぐったい。「わかったよ。ていうかそれ、もう十回くらい聞いた」 ちょっと呆れた顔で僕――アキヒコ・ラザフォードは答えた。 幼稚園...