僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(25)

 夕方になると僕は約束を守って家に電話をかけ、サーシャが迎えにやって来た。 「ご迷惑おかけしました。いつも急にお邪魔して申し訳ありません」 「いえいえ、最近あまり遊んでないみたいだからちょっと心配してたのよ。アキヒコくん、またいつでも来てね」  もしかしたらベンのお母さんも...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(24)

 ひと晩眠ると前日サーシャに宣言したときの勇気は半分以下にしぼんでいた。学校に行くのは気が重かったし、シルビアに話しかけるのは怖かった。  それでも僕は、必ず今日シルビアに謝るのだと決めていた。  そういえばずっと前、小学校に入って最初の日にビビと喧嘩をした。絶対に自分は悪く...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(23)

 前に「恋」について話したときもサーシャは「いずれわかります」と言った。そのときも、恋なんて面倒なことには一生関わりたくないと思ったけど、わがままになって人を傷つけるようなものであるなら――なおさら恋なんてしたくない。  なのにどうしてだろう、僕の知らない「恋」なるものをサーシ...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(22)

 ぽたぽたと、続けざまにこぼれ落ちる涙が床の色を変えていく。顔を手で覆ったシルビアは小さく嗚咽をあげて、肩を震わせて泣いていた。 「あ……」  しまった、女の子を泣かせてしまった。うろたえたところで、後ろから力いっぱい突き飛ばされた。 「ちょっと、どういうこと? 何してんの...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(21)

 あの日を最後に、おじいさんを公園で見かけることはなくなった。気になって何度かサーシャと行ってみたけれど、ベンチはいつも空っぽだった。  バラの季節が終わった公園には興味をなくしてしまったのかもしれない。それとも家族の人にうんと叱られて、自由に家から出してもらえなくなったんだろ...
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