こぼれて、すくって

プロローグ(後編)

とはいえ今の羽多野が無職だろうが何だろうが栄には関係のない話で、いつまでも定職にも就かずフラフラしている三十路男を見下しはしても別に近況を聞きたいとも思わない。とっさに場を離れる理由を探すが、それを見つける前に先手を取られる。「せっかくだからコーヒーくらいおごるよ。去年クビになっ...
お知らせ

拍手&コメント御礼

「こぼれて、すくって」のプロローグを掲載しています。「きいろとあかと」を終わらせてから手をつけようと思っていたのですが、お仕事する栄が書きたい気持ちを拗らせてしまったので、プロローグ部分だけ独立した形で一足お先に。前後編です。栄番外の本体はちょっと分量ありそうなのでスピンオフです...
きいろとあかと|心を埋める(番外編)

第4話

尚人のマンションに着いたときには十一時半を回っていた。怪しまれたのか一度目の呼び出しでは応答せず、二度目にインターフォンを押すとようやく「はい?」と怪訝な声が聞こえてきた。 俺、と未生がぶっきらぼうに告げると驚きながらも尚人はオートロックを解除する。「……どうしたの、急に」 玄関...
こぼれて、すくって

プロローグ(前編)

「谷口、どうせ暇なんだろ。荷物運び手伝ってくれよ」 元上司だった|友安《ともやす》が内線電話で|谷口《たにぐち》|栄《さかえ》を呼び出したのは、六月も下旬のことだった。 友安は栄が「一年生」つまり産業開発省に入省した最初の年に仕えた係長だった。その後アメリカへ遅めの留学をして、戻...
お知らせ

拍手&コメント御礼

今週末もご訪問、拍手等ありがとうございます。すでに感想コメントもいただきましたが(ありがとうございます!)「悪い夢」の栄バージョンもアップしておりますので、夢オチトンデモ3Pに抵抗のない方は拍手かTwitterよりどうぞ。書く分にはとても楽しかったです。番外1の未生はこれまでのツ...