お知らせ

拍手&コメント御礼

拍手からのコメント、ありがとうございます。ここ数話で未生と尚人の感情に動きが出てきてますが、そろそろ状況も変化が出てくる予定です。メロドラマが好きなので穏やかでない展開多めですが、引き続き読んでいただければ嬉しいです。
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54. 尚人

スマートフォンの終話画面を眺めながら、尚人は不安とも心配ともつかない感情に戸惑っていた。今日の未生は明らかに様子がおかしかった。もちろん元々一筋縄ではいかない相手ではある。初対面からいままで、恫喝のようなことを口にしたかと思えば人懐っこく甘えるような態度を見せたりと未生のイメージは一貫しない。くるくると変わる印象に尚人はただ引きずられ翻弄されている。ただ、今日の未生の様子はこれまでに見せたどんな姿とも違っているような気がしていた。
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53. 未生

帰りは電車を使ってタクシー代を浮かせるという手もあったが、慣れない環境に身を置いたせいかひどく疲れていたので車を拾った。後部座席に座ると、未生はダウンジャケットのポケットに放り込んでいた栄の名刺を取り出して、もう一度食い入るように眺める。どうやら自分は尚人の恋人について見くびっていたようだ。未生の貧困な想像力の中では、難しい大学を出て役人になるような人間というのはいくら紳士的なエリートであってもどこか垢抜けず退屈で、せめて男としての外見的な魅力くらいは自分の方が勝るのだろうとたかをくくっていた。極端な話、吊るしのスーツに七三分けメガネ姿の姿を想像していたと言っていい。
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拍手&コメント御礼

ムーンライトノベルズからわざわざおいでいただいた方、コメントありがとうございました。できるだけマメに更新できるよう引き続き頑張ります!
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52. 未生

尚人が恋人のことを「栄」と呼ぶのを聞いたことは何度かある。本人は意識していないのだろうが、柔らかく甘い声色で呼ぶその名前はいつだって特別な響きを持って未生の耳をくすぐった。栄というのはそこまで珍しい名前ではないけれど、ありふれているというほどでもない。尚人と同じくらいの年恰好で中央官庁勤務。この程度の一致は偶然のうちだろうか、それとも。迷いはすぐに、言葉では説明しがたい確信に打ち消されてしまう。