心を埋める 51. 未生
年が明けても、尚人との逢瀬は一週間に一度ほどの頻度で続いていた。未生の若さからすればやや物足りないのが正直なところだが、なぜだか他にも相手を探そうという気にはなれない。誘うのはいつも未生だが、尚人の方も以前のような様式美の拒否を見せることはなくなった。電話口で淡々と予定を立て、平日のどこかで尚人の仕事が終わる八時過ぎに待ち合わせる。未生は面倒だとホテルに泊まってしまうこともあるが、尚人は必ず電車のあるうちに帰るから一緒に食事をするような暇もなくホテルに行ってセックスをして、十一時前後には別れるのがルーチンになった。
