その他の番外|心を埋める(番外編)

その他の番外|心を埋める(番外編)

もしも京都に行ったなら 〜栄×尚人(3)〜

尚人 「もうじき紅葉の季節だな」  栄がそう言ったとき、尚人はてっきりどこかの都立庭園か、せいぜい日帰りでどこかへ行こうという意味だと思った。 「そうだね。そういえばクラスの子から新宿御苑とか、浜離宮とか紅葉がきれいだって聞いたよ」  行けども行けども高層ビルの世界だとばかり思っ...
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もしも京都に行ったなら 〜栄×尚人(2)〜

これまでに尚人と旅行に行くことを考えたことがなかったわけではない。だが、なまじ好意を持っているだけに、友人関係でいるうちは尚人を宿泊を伴う遠出に誘うことには用心深くなっていた。  加えて、ふたりが通うT大学は「学類」という大雑把なくくりで入学し、二年生前期までの成績を元に学部を決...
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もしも京都に行ったなら 〜栄×尚人(1)〜

Xでアンケートをとったら反応いただけたのでその気になった「もしも京都に行ったら」SSです。栄×尚人、未生×尚人、羽多野×栄と全部書きたい……けどまずは久しぶりの栄×尚人から。 栄 「そろそろ終電なんじゃない?」  レポートを書いているふりをして、頭の中は完全に別のことを考えていた...
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Summer Dressing(14.おまけ)

そんなこんなで和太鼓の練習を口実に、ジェレミーは週二度ほど堂々と栄と会うことができている。  和太鼓パフォーマンスに参加するのは民間企業と公的機関あわせて十人ちょっと。これだけの人数がいて、しかも平日夜の限られた時間で素人の演奏を一応の形にしようとするとなると、必然的に練習の密度...
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Summer Dressing(13.おまけ)

広報担当者相手に訪問の予約は取ってあるが、打ち合わせの前にジェレミーは和太鼓チームの参加者に承認をもらいに回ることにしていた。  昨年のイベント以降に赴任した若手――つまり、和太鼓チーム参加候補者のリストはすでに準備してもらっていた。去年の夏は若手の異動が少なめだったので、人数も...