これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第4話

 未生は迷った。尚人を問い詰めるべきか、それとも悩みを打ち明けてもらえないのは自らの未熟さが理由であると素直に受け入れ、黙って見守るべきか。言いたいことを我慢するのはまったくもって性に合わないが、幼稚な行動で尚人に呆れられるのも嫌だ。腹立たしい話ではあるが、こういうときにあの男、...
これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第3話

「どうしたの、ぼーっとして。授業終わったよ」  顔を上げると、不思議なものを見るような表情を浮かべて|栗原《くりはら》|範子《のりこ》が未生を見下ろしていた。 「え?」  シャープペンシルを取り落として、周囲を見回してようやく大教室の半分ほどがすでに空になっていることに気づ...
これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第2話

 栄のことはずっと気になっていた。親兄弟の次に長い時間を一緒に過ごした相手のことだから、別れたからといって簡単に頭の中から消えてなくなりはしない。元気で過ごしているか、慣れない外国生活で困ったことはないか。だが、もはや恋人でもなければ友人とも呼べない自分が栄と連絡を取る理由はどこ...
これは二度目の恋ではなくて|心を埋める(番外編)

第1話

「どうしよう……」  通話を終えた瞬間に現実に引き戻された|相良《さがら》|尚人《なおと》は、真っ青な顔でつぶやいた。  今の今まで話をしていた相手は、一年数ヶ月前まで恋人だった|谷口《たにぐち》|栄《さかえ》。長い交際と同棲を経て一応は円満に別れたことにはなっているが、その...
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