長尾三佐の憂鬱な幸福|心を埋める(番外編)

長尾三佐の憂鬱な幸福|心を埋める(番外編)

パブでの邂逅、編

「クリスマス編」の翌年6月くらいの長尾です。相変わらず夢みてます。  秋の日はつるべ落としというが、その逆はなんと表現すればいいのだろうか。そんなことを考えてしまう程度には、ロンドンの春はみるみるうちに昼が長くなる。  三月末に夏時間になってからしばらく経つとイースタ...
長尾三佐の憂鬱な幸福|心を埋める(番外編)

初飲み編

時期的には「こぼれて、すくって」プロローグと第1話のあいだ(「長尾SS(出会い編)」のあと)。  今日の長尾は朝から至極ご機嫌だった。  大使館の外に一歩足を踏み出せばうんざりするほど暑いし、そんな中わざわざ出かけた打ち合わせは、相手方の突然の体調不良で空振りの憂き目...
長尾三佐の憂鬱な幸福|心を埋める(番外編)

クリスマス編

時期的には「こぼれて、すくって」最終話あたり。  街はすっかりイルミネーションに彩られクリスマスも間近に迫る師走下旬。長尾は大使館の廊下をかれこれ三往復ほどしたところだった。  この先には経済部の執務室。そしてそこには長尾の憧れの人である谷口栄のデスクがある。長尾が今...
長尾三佐の憂鬱な幸福|心を埋める(番外編)

出会い編

時期的には「こぼれて、すくって」プロローグと第1話のあいだです。  ドアを開けて部屋に足を踏み入れた瞬間に、一日中窓越しに熱され続けた空気が熱く肌にまとわりついた。  季節は七月。ヨーロッパには熱波が襲来しており、北に位置する英国とて猛暑に例外はない。連日ニュース番組...
長尾三佐の憂鬱な幸福|心を埋める(番外編)

出会い未満編

「そういえば、私の後任は独り身なんですよ」  大使館のロビーで偶然出くわした|小郡《おごおり》がそう言った瞬間、長尾は背中に後ろめたい冷や汗が滲むのを感じた。とはいえそれは本当に刹那の話。なにしろ目の前の男は長尾の性志向を知るはずはないし、それはつまり、かけられた言葉に他意はな...
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