僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(4)

家のある通りよりも少し前で車から降ろしてもらった。 数年前ならば決して許してもらえなかった「日が落ちた後で、ひとりで外を歩くこと」は、いつから解禁になったんだっけ。少しひんやりとした夕方の空気を肌に感じながら、そんなことを考える。 おじいさんの家に日曜日だけ通っていた頃は、見張り...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(3)

その日、僕は迎えの車に乗っておじいさんの家へ行き、週末に税理士が持ってきた山ほどの書類を整理するのを手伝った。 ひと息ついたところでリビングに降りて、マーサが準備してくれたお茶を飲んでいるとベネットさんが現れた。いくつかの書類をおじいさんに渡して、僕にはわからないむずかしい会話を...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(2)

この学校には、僕と同じように家の仕事を継ぐことになっている生徒は多い。もちろん目の前にいるヒューゴやロドリゴもだ。けれど、同じような境遇に身を置く彼らからしても、末端とはいえこの年齢から仕事を手伝いはじめる僕の姿は奇妙かつ哀れに映るみたいだった。 新学期のたびに国内外の旅行やパー...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(1)

「終了。解答用紙を集めます」 肌身離さず身につけているレトロな懐中時計を凝視していた教師がそう告げると、教室中のあちこちからため息が聞こえてくる。 絶望、安堵。発した主によってその意味は様々だろう。 僕――アキヒコ・ラザフォードの場合は「解放感」。 最後の一科目のテストが終わり、...