僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(9)

「へええ、ここがラザフォード邸か」 ヒューゴが《《僕の家》》にやってきたのは週末のことだった。本当はもっと準備の時間が欲しかったのだけど、せっかちで押しの強い彼に押し切られてしまった。 おじいさんにも、ベネットさんにも、お茶の準備のために休日出勤してくれるマーサも事情はわかってい...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(8)

部屋に戻ると僕は、机の引き出しの一番奥に隠してある封筒を取り出した。 中にあるのはストロベリーブロンドの髪の毛たったの一本。封を開けるのはずいぶん久しぶりだったけれど、大切な友だちの形見は相変わらずそこにあった。「ビビがいてくれれば良かったのにな」 思わず呟いた。 僕にとって特別...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(7)

「楽しくなさそうですね。せっかくベンと会ったのに、もしかして喧嘩ですか?」 じっと僕の様子をうかがっていたサーシャが切り出した。喧嘩を疑われるなんて、帰宅してからの僕はよっぽど浮かない顔をしていたのかもしれない。「そんなんじゃないよ。でも、なんか」 そこまで言ったところで口をつぐ...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(6)

「アキ、また背が伸びた?」 待ち合わせたカフェで僕の姿を見た瞬間に、ベンが言う。 サーシャが僕の成長に疎いのは面白くない。一方で、昔からの友だちに身体の変化を指摘されることを照れくさく思ってしまうのはどうしてだろう。「そうかなあ。二ヶ月くらいじゃ変わらないよ」 気恥ずかしさを悟ら...
僕と機械仕掛けとゴースト

僕と機械仕掛けとゴースト(5)

寮で生活している友人たちは、休暇に家に戻るたびに家族が驚くのだと言っていた。特にロドリゴは、出会った頃は僕よりも小柄だったのに、ここ二年ほどで驚くほど身長が伸びた。「一年ぶりに会ったひいおばあさまに、『どちら様?』って聞かれちゃったよ」と苦笑していたのは、確か春の休暇明け。成長痛...