夜の方舟(第1部)

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貴重な休日の昼間を費やして、「DNG」なる団体について得られた情報はあまりに少なかった。 母から告げられた「DNG」というのはあくまで略称で、正式にはDoor for Next Generationsというらしい。まるでベンチャー企業や自己啓発セミナーのようなネーミングだというの...
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拍手&コメント御礼

毎度のごとくストーリーの進みが遅くてすみません。せめて毎週土日は更新したいな〜と思って資料読みつつプロット固めつつ書いています。自分が楽しくて書いているとはいえ、反応いただけるのは嬉しいので返信不要でのメッセージなどもありがとうございます。マニアックな内容だけに、同じ趣味の方がい...
夜の方舟(第1部)

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すっかり動転している母親から意味のある情報を得ることは難しかった。というより、両親もまだ、陸がマンションを引き払っていなくなってしまったことと、突然届いた手紙の内容以外には、なにひとつ確かなことは把握していないようだ。 律自身についてはまだ冷静な気持ちでいたのだが――それはつまり...
夜の方舟(第1部)

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陸がいなくなった。耳にした瞬間は、いかにも母親らしい、いつものオーバーリアクションだと思った。 一卵性双生児の陸は、母の胎内から出てきたのが先であることから戸籍上は律の「兄」で、松江家の長男である。 姿かたちはよく似ている二人だが性格はずいぶん違っていて、温厚で落ち着いていてルー...
夜の方舟(第1部)

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|松江《まつえ》|律《りつ》は、はっとして目を覚ます。 鼓動が激しくて、自分がつい今まで夢の中にいたことを自覚するまでいくらかの時間がかかった。汗ばんだ肌にじっとりと張り付いたシャツ。 顔を上げるとエアコンの羽根が閉じている。自分でも気づかないうちにタイマーを設定していたようだ。...