その他の番外|心を埋める(番外編)

Shall we have breakfast together? -3-

「……ってことがあってさ」 と、未生がひとしきり大学でのやり取りを話す間、尚人は身を乗り出して耳を傾けていた。 いつだってそうだ。どんなくだらないことだって、尚人には一切関係ない内容だって、未生の話すこと何でも楽しそうに、さも興味深そうに聞いていてくれる。もしかしたら研究や仕事の...
その他の番外|心を埋める(番外編)

Shall we have breakfast together? -2-

未生には、篠田とその恋人のけんかの原因がさっぱり理解できなかった。 まずもって未生には、朝食に味噌汁を食べる習慣はない。もしかしたら物心つく前には当たり前の食卓を囲んだ時代もあったのかもしれないが、少なくとも離婚後の母親が未生に朝食を作ることなど皆無だった。 ほとんどネグレクト状...
その他の番外|心を埋める(番外編)

Shall we have breakfast together? -1-

未生×尚人の小話です。続きます。「はぁ~……」 学食の列で目の前に並んでいる篠田が、もう何度目だかわからないため息を吐く。休憩時間だけならばともかく、講義中ももすぐそばで五分に一度のペースでこの有様なのだから、聞かされる方としてはたまらない。「おい、いい加減うるせえよ」 背後から...
お知らせ

拍手&コメント御礼

なんとサイト本体の更新は3ヶ月ぶり……我ながら震えてしまいます。そしてこの春は再び長距離引越し(とはいえ今回は国内ですが)することになり、またもやしばらくばたつきそうです。書き方を忘れない程度には執筆もやっていきたいと思います。そしてサイトの更新が久しぶりなだけに、コメントへのお...
夜の方舟(第1部)

5

「……主文、被告人を無期懲役に処する」 裁判長の言葉に、はっとして律は顔を上げる。 傍聴席には軽いざわめき。「無期?」「強盗殺人か」ささやき合う声に耳をそばだて、寝ぼけた自分が主文を聞き間違えたのではなかったことを確認してから手元のメモ帳に「無期」と書き殴った。 被告席では毛玉だ...