醒めるなら、それは夢 80. 第5章|1950年・ミュンヘン
ユリウスは独房で目を覚ました。殺風景な狭い部屋。固いベッド。食事の配膳やたまの面会以外は他人の顔を見ることもない。だが、そんな拘置所での生活にも慣れ、最近ではむしろ心地よさすら感じる。じき裁判が行われ、刑務所に行けば大部屋暮らしになるだろう。ひとりきりの静かな生活も今だけなのだと自覚してからは、なおさらここで過ごす時間は貴重に思えてきた。
醒めるなら、それは夢
醒めるなら、それは夢
醒めるなら、それは夢
醒めるなら、それは夢
醒めるなら、それは夢