僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛けとベネットさん

ナーサリーからの帰り、アパートメントの前でポピーと会った。ポピーは、同じアパートメントに住むブラウンさんというおじいさんの飼い猫だ。「ポピー、元気?」「やめなさい、アキ。引っかかれますよ。その猫は獰猛です」 サーシャが僕のシャツの襟を引っ張って止めようとする。ポピーはかわいらしい...
僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛けと名前の問題

いつもより一時間も早く目が覚めたのはうきうきしていたから。 あいつよりも早起きかもしれないと思ったらもっと浮かれた気分になって、僕はそっと部屋を出ると、小走りでキッチンへ向かった。でも、廊下に出ればすでに漂っているコーヒーの匂いに気づいてしまうし、リビングのドアを開けると、ダイニ...
僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛けと仲直りの夕食

黒いエプロンを身につけた「AP-Z92-M」は、キッチンコンロに火をつける。そして、スープの入った鍋とは別の小さなミルクパンに湯が沸きはじめる様子に、僕は居ても立ってもいられずに引き寄せられた。「危ないから近寄らないでください」「大丈夫だよ、いつもこうやって見てたもん」 僕が言い...
僕と機械仕掛け

第8話

おじいさんがベルを鳴らすと、間もなく一人の女の人が部屋にやってきた。この広い家にはおじいさんとベネットさんと僕の三人きりしかいないと思っていたから、少し驚いた。 女の人はお母さんよりはずっと年上に見えて、でもおじいさんよりはずいぶん若く見える。ちらりと僕に目をやるが、表情を変える...
僕と機械仕掛け

第7話

おじいさんは僕をソファに座らせると、その隣に腰掛けた。僕は年をとった人とくっついて座るのははじめてだった。背後からそっとベネットさんがちり紙を差し出してくれたので涙でぐちゃぐちゃの顔を拭いてから、鼻をかんだ。 鼻が通るようになると、その部屋に独特の空気が漂っていることに気づく。「...