恋で死ぬ。かもしれません

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5. 真夜中、映写室

「そういえばアカリくん、これ興味あるんじゃないかな」ゼミが開始して数週間が経った頃、アカリは倉橋教授から一枚のDVDを渡された。ラベルの貼られていないディスクを手に首をかしげていると、倉橋は散らかった机の上を探って数枚のコピー用紙を束ねたものを探し出した。それはどうやら映画のプロモーション資料のようだった。
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4. 蒔苗聡の奇襲

先制攻撃を仕掛けるつもりが、予想外の奇襲攻撃。友達もいないようなおとなしくて地味な奴、ちょっと脅せばどうになるだろうとたかをくくっていたアカリだが、心の準備もない状態で話しかけられるとさすがに動揺する。「え、ひ、人聞き悪いな。何言って……」「じゃあ心当たりはないんだな」
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3. 先ずは、敵を知るべし

かくしてアカリは、一番見られたくない場面を見られた相手と同じゼミに所属することになった。倉橋ゼミの新入生は三人。アカリと蒔苗の他は、滝百合子という女子学生がいる。四年生は四人。男女半々でうち一人はシンガポールからの留学生だ。来週にも歓迎会が行われる予定になっているが、何度かゼミに体験参加したことのあるアカリは既に全員と顔見知りだった。百合子も飲み会や同じ講義で顔を合わせることが多く、すでに見知った仲。というわけで、唯一の正体不明な相手が、よりによって蒔苗だったりする。
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2. なんと読むかも知りません

翌朝のアカリは極めて不機嫌だった。せっかくの久しぶりのセックス、せっかくの久しぶりの臨時収入の予定。どっちも台無しにされた。何もかもあののぞき魔野郎のせいだ。あの後の顛末は、まさしく無残そのものだった。よりによって人のセックスを見て嘔吐するとは何事かと怒り狂ったアカリは、後ろから自分を貫く男のことなどすっかり忘れてのぞき魔に向かって怒鳴り、靴を投げた。
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1. 明里亮介の秘密

初夏。日が暮れれば涼しげな風が吹き、ぐっと色を濃くした公園の緑からは鮮烈な夏の匂いが立ちのぼる。薄くなる衣服にどこか気分も解放的になるこの時期こそ――。そう、絶好の青姦シーズン。