心を埋める 20. 尚人
麻布十番の駅から少し離れた場所にある喫茶店を指定して電話を切ると、尚人は大きくため息をつく。出かける前に財布の中身を確かめた。二十五歳の誕生日に栄からプレゼントされたのは本革の長財布で、人気の職人ものだから半年以上前から予約して手に入れたのだと言われた。ファッションにもブランドにも疎い尚人がその価値を正しく理解できたとは言い難いが、貴重な品を自分のためにわざわざ手に入れてくれた栄の優しさが嬉しかった。
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死に神の名付け親(番外編)
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