僕と機械仕掛けとビビ

第7話

僕の見るビビはいつだって元気いっぱいで、他の友達よりもずっと強くて自信たっぷりでいるように見えた。だから僕の頭の中で「ビビ」と「病気」という言葉はこれっぽっちも繋がらない。だってビビが風邪を引いたところだって、僕は一度も見たことないのだから。「ビビが、病気?」 頭に浮かんだのは僕...
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16. 栄

出来上がった資料を紙袋に詰めて栄は議員会館へ向かう。荷物があるので普段ならば官用車を出してもらうところだが今日は土曜日、深夜残業者を狙って朝方まで庁舎前に列を作っていたタクシーもこの時間にはすっかり姿を消している。仕方がないので地下鉄に乗った。車内には都心に買い物に出ようとする若い男女や、行楽の家族連れが目立つ。風呂にも入っておらず、しわの寄ったスーツにビジネスバッグと大量の資料をぶら下げた自分はひどく場違いに思えた。気分は当然憂鬱だ。山野木に罪悪感を抱かせないようオフィスでは明るく振る舞ったが、叱られることがわかっている謝罪訪問など楽しいはずがない。
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15. 栄

胃痛はやがて消えたが、すっかり伸びてしまったカップ麺をこれ以上食べる気にはなれない。給湯室に残飯を捨て、ついでに歯磨きを終えた栄が席に戻ると、険しい表情で山野木が受話器を握りしめていた。主意書答弁案の確認を終えた課長から修正の指示を受けているのだろうと思い近寄ってみると、どうも様子がおかしい。大井も難しい顔で山野木の話に耳をそばだてている。
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14. 栄

ようやく主意書答弁の案文作成に一区切りついた頃には、東の空は白みかかっていた。大井が大きく伸びをしながら、電話を切ったばかりの山野木に状況を確認する。「うー、さすがに眠いな。山野木、課長なんて言ってた?」「メールで送った文案はこれからご覧になるそうです。目を通したら折り返しお電話くださるって」
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13. 栄

谷口栄は最悪の気分でマンションを出た。今週もずっとタクシー帰りが続いていた。体力はある方だし仕事が嫌いなわけでもないのだが、さすがに慢性的に睡眠時間が足りていない。しかも今日は一度帰宅して、少量とはいえビールを飲んだことで完全に集中力が切れてしまっている。ここから再び気持ちを仕事モードに持っていくのは簡単ではない。