心を埋める 8. 未生
「悪いけど君の冗談に付き合っている暇はないんだ」全身で逃げを打とうとする尚人を追って、未生は三和土に降りる。冷静を装った言葉とはうらはらに萎縮した姿を見ると、獲物を見つけた肉食動物の興奮で背中がぞくぞくした。まったく面白いことになった。真希絵の頼みを聞くなんて面倒だと思っていたが、いまとなってはこんなおいしいチャンスを与えてくれた彼女に感謝したいくらいだ。
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