死に神の名付け親

Chapter 2|第32話

ラインハルトは、ルーカスの告白に激しくうろたえていた。確かに不遇な少年だとは思っていた。でも、今になってこんなにも重い過去が彼にのしかかるとは思ってもみなかった。それでもまだ正気を保つことができたのは、目の前の少年があまりに深く傷つき疲れ果てているからだ。 数歩足を進めると、ライ...
僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛けと傷痕(4)

何が起きたのかは、覚えていない。 ふわっと体が浮いたような気がしたけれどそれはほんの一瞬のことで、気づいたら僕はサーシャの腕の中にいた。何かにぶつかるような衝撃はあった。でも僕の体はどこも痛くない。だからきっと、大丈夫だったんだと思った。 恐怖からぎゅっと閉じていた目を、そっと開...
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拍手&コメント御礼

「死に神」「機械仕掛け」の感想下さった方、ありがとうございました。登場人物の攻防を書くのが好きなのでついつい今みたいな画面は長めになってしまいます、笑。ラインハルトにとってルーカスとの戦いは自身の偏狭さとの戦いでもあるので、大人としての立場と子どもっぽい感情の間で揺れ動きながらも...
僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛けと傷痕(3)

サーシャとけんかになるのはそんなに珍しいことじゃない。というか、休みの日に一日一緒にいれば、大体一度はけんかをする。とはいえ僕が一方的にサーシャの言うことや態度に腹を立てるだけのこれをけんかと呼ぶのかはよくわからないけれど。「サーシャのばか、わからずや」 部屋でひとり、つぶやく。...
死に神の名付け親

Chapter 2|第31話

|生命の泉協会《レーベンスボルン》の名は知っている。 オーストリアがドイツに併合されたとき、ラインハルトは五歳だった。父やその仲間たちは一貫してナチやアドルフ・ヒトラー政権に対して批判的な態度を持ってはいたものの、疑心暗鬼の時代におおっぴらな反ナチ活動を行うことはなかった。父の通...