死に神の名付け親

Chapter 2|第25話

それはまったくの偶然だった。 顔を上げた先。数メートル離れた交差点に立つ黒髪の長身の男の横顔が偶然視界に入ると同時に、ラインハルトの視線はそこにフォーカスする。 どん、と心臓を叩かれるような衝撃。それと同時に腰から下の力が抜け、その場に崩れ落ちてしまいそうな感覚。しかしその男から...
僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛けと傷痕(1)

歌が終わり、みんながパチパチと拍手をする。「おめでとう、アキくん」 ナディア先生がそう言って、僕に紙の花でできた首飾りをかけてくれた。くすぐったいような、恥ずかしいような、誇らしいような、なんともいえない気持ちで僕は思わず目を伏せてしまう。「アキくんも、六歳ね。来年はもう小学校だ...
死に神の名付け親

Chapter 2|第24話

予告通り日曜の朝からルーカスは出かけて行った。その顔に一切の暗さはなく、よっぽど演技が上手いのでなければ彼は心底から両親との思い出の残る家を処分することに迷いを持っていないのだろう。 ラインハルトはルーカスのある種の割り切りの良さを見せつけられたことに内心では動揺していた。一方で...
お知らせ

拍手&コメント御礼

拍手いつもありがとうございます。昨日、今日とコメントを下さった方々もありがとうございました。少しでも面白いもの書けるよう精進します。「死に神」はこれから重めのエピソードも入ってきますが、そういうあれこれを越えて絆を育む話なので、心広くお付き合いいただけると嬉しいです。
僕と機械仕掛け

僕と機械仕掛けとベネットさん

ナーサリーからの帰り、アパートメントの前でポピーと会った。ポピーは、同じアパートメントに住むブラウンさんというおじいさんの飼い猫だ。「ポピー、元気?」「やめなさい、アキ。引っかかれますよ。その猫は獰猛です」 サーシャが僕のシャツの襟を引っ張って止めようとする。ポピーはかわいらしい...