お知らせ

拍手&感想御礼

ご多忙な年末に読みに来てくださっている皆様、ありがとうございます。「醒める」の感想を送ってくださった方、「恋で死ぬ。」の二人が好きだと言って下さった方、嬉しいです。蒔苗は宇宙人のような男でしたが恋愛を知りようやく人間らしくなってきた模様です。
サクラ踊る踊る

第14話

圭一は悩んだ。普段あまり使わない脳みそをフル回転させて悩んだ。まず頭に浮かんだのは、父親の顔。しかし、フルタイムのアルバイトが決まった息子がようやく真っ当な道を歩き出したと喜んでいる父に向かって、いまこのタイミングで「三十万円貸してくれ」などと口に出す勇気はさすがにない。続いて、渋谷と由衣の人の良さそうな笑顔がちらりと頭をかすめる。
神を屠る庭

14. 飲み込む言葉

アイクとリュシカがしばらくこの集落に留まることに同意すると、セスはほっとした様子で部屋を出て行った。「僕たちの返事をスイに伝えに行くんだって」 リュシカはセスが石板に書いて伝えた内容をアイクに伝えた。セスの父はこの集落の長で、兄のスイがその後継者。アイクが眠っていたのは|長《おさ...
サクラ踊る踊る

第13話

弱音を聞いてくれて相談に乗ってくれてた、年上で頼りになるはずの〈SHIZU〉の正体が和志だった――本来ならばその事実にもっと驚いたり落胆したりするところなのかもしれない。しかし、今の圭一の頭の中は「三十万円」のことでいっぱいだ。明らかな詐欺で犯罪だと当初は抵抗を感じたはずなのに、いざサクラをはじめてみれば罪悪感は薄れた。そして、〈SHIZU〉に感謝して彼のメッセージを支えにしながら、同時にわかっていながら彼に多大な金銭の負担を負わせた自分はとんでもないクズだ。
神を屠る庭

13. 目覚める獣

ひどく気分の悪い目覚めだった。頭が痛み、体も思うように動かない。しかもずいぶん長く眠っていたような気がして――アイクは重いまぶたをゆっくりと持ち上げた。 にじんだ視界が少しずつくっきりと輪郭《りんかく》をあらわにし、最初に目に入ったのは心配そうに自分をのぞきこむリュシカの姿だった...