うつくしいあし

第5話

「……それにしても坂道での転倒なんて。もし義足が合わないせいなら、すぐにでも装具技師に連絡して調整したほうが良いと思いますよ。下手すると大きい怪我をすることもあるから……って、|土岐津《ときつ》さん聞いてます?」「え? あ、はいっ」 強い調子で名前を呼ばれて、はっと顔を上げた。声...
うつくしいあし

第4話

股間を気にしながら謝罪の言葉を口にしたぼくを見て、宇田もようやく異変を察したようだ。スウェット地を持ち上げるものに目をやると、顔を赤らめた。「すみません、あの……」 恥ずかしいのはお互い様だ。同性に脚を触られたくらいで性的に興奮してしまったぼくも、興味本位で人の古傷を撫でているう...
うつくしいあし

第3話

見知らぬ男が二人。ずっと流れていた気まずい空気は、ビール片手に言葉を交わすことで少しずつ和らいだ。「本当に、人を上げるの自体すごく久しぶりですよ。前はたまに大学のやつら呼んで鍋とかしてたけど」「|土岐津《ときつ》――さんは、大学生なんですか?」 床に座った|宇田《うだ》がぼくを見...
お知らせ

拍手&コメント御礼

今日も「うつくしいあし」の更新でした。やっと栄のパンツの話が終わったのに、なんでまたパンツのエピソード書いているんだろう……と思いながら書きました。拍手やコメントありがとうございます。明日も更新できるようにがんばります。 肉まんの皮の材料が手に入るなら具を入れずに皮だけ蒸して花巻...
うつくしいあし

第2話

声をかけてきた男は、ぼくが立ち上がることすらままならないと知ると傘を閉じた。そして腕を引いてぼくを助け起こし、家までずっと肩を貸してくれた。 ぼくのマンションにはエレベーターがないので、息を切らしながら階段で三階まで上がった。自分の部屋のドアが見えたときには心底ほっとした。「あり...