醒めるなら、それは夢 15. 第1章|1947年・ウィーン
長いウィーンの冬もいつかは終わる。仕事を終えて病院を出ようという夕方五時になっても日は沈みきっておらず西の空はまだほんのりと明るい。寒さはまだまだ厳しいものの一番辛い時期ほどではなく、ここのところ気温が零度を下回る日は少なくなってきた。日照時間の短さは人の心身に多分な悪影響を与えると聞く。北に行くほどメランコリーやアルコール依存症が多いというのもあながち嘘でもないだろう。真冬の頃からレオ自身、とりわけ天気が悪くなる前などは偏頭痛に悩まされることが目立つようになった。
