醒めるなら、それは夢 50. 第3章|1941年・ベルリン
新学期が始まって二週間ほどがたったある日のことだった。夕食後にラテン語を教えてもらう約束になっていたのに、マテーウスがなかなか戻ってこない。ユリウスは基本的に外国語全般が得意でないが、特にラテン語には見るのも嫌になるくらいの苦手意識を持っていた。ハンブルクのギムナジウムに通っていた頃は内容も初級程度だったためまだましだったが、ナポラにやってきて以降はレベルの高い授業になかなかついていけず、落第しないだけで精一杯といった調子だ。
