醒めるなら、それは夢 45. 第3章|1940年・ベルリン
ハンブルクからベルリンへは一本の電車で行くことができる。しかも高値ではあるが特急列車を使えば二時間少々だ。別れ際に父は「体に気をつけて、休暇には戻って来い」と告げたが、ユリウスはうつむき黙ったまま列車に乗り込んだ。ユリウスが編入することになったのは、ベルリンにあるナポラ、「NPEA ベルリン=シュパンダウ」で、ベルリン西部の二つの川が交わる街に位置する。ユリウスはひとりで長距離列車に乗ることも初めてなら大都市と聞くベルリンに行くことも初めてだったのでひどく緊張した。もっとも乗り換えの心配をせずにすむだけでもまだましだったが。
