神を屠る庭

30. たったひとつの方法

「火の粉、とはなんだ?」 アイクは答えを求めて険しい顔をしたスイを見つめるが、答えはない。「火の粉」を取りに行ってくれないかと頼んできた張本人であるこの男ですら、それが何なのかを知らないのだ。 早朝、呼び出しに応じてクシュナンの小屋を訪れた。クシュナンは足枷を外された姿で床にあぐ...
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29. 優しい嘘が消えたあと

夜の鳥が啼いている。 セスははっと顔を上げる。いつの間にこんなにも時間が経っていたのだろう。座り込んでいる岩から夜の冷たさが伝わり、セスの尻もすっかり冷え切っていた。 一睡もしていない。水も飲まず、ものも食べず、気づいたらまた夜になっていたのだ。悪い夢を見ているような気がするが、...
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28. スイの懊悩

朝も早い時間に扉を叩かれ、まだ寝床にいたアイクとリュシカは慌てて衣服を羽織る。そこに立っている小柄な中年男のことは見たことがあった。確か、セスたちの暮らす長の屋敷で下働きをしていた。 全力で走ってきたのか、男は息を切らしたままなんとか用件を口にした。「スイ様が、支度ができたらすぐ...
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27. さよならと告白

兄の姿が消えてからもしばらく玄関に座り込んだままでいたセスは、自室に戻ってからもとてもではないが寝床に入るような気分にはなれない。 やはり自分は馬鹿だった。犯した掟破りは何もかも、カイに気づかれていたのだ。一体いつ、どうやって。疑問がないわけではないが、兄のいるあの場でうまく嘘を...
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26. 喜び、そして糾弾

羞恥、痛み――そして快楽。与えられたのはセスがこれまでの人生で知らなかったもの、そして、これからの人生でも決して知ることはないと思っていたもの。 クシュナンの褐色の肌はすべすべと滑らかで、触れるとやけどしそうに熱かった。しかしそれがセスの肌と触れ合えば、不思議なことに互いの温度は...