神を屠る庭

9. 襲撃者たち

その日の夕食には野うさぎを焼いて食べた。たいして肉はついていなかったが、他に甘くみずみずしい木の実があったので、とりあえず空腹を紛らわせることはできた。少年――リュシカは、アイクが山道を歩きながら教えてやった食べられる草や木の実の見分け方をすぐに覚えてしまい、今では食料集めにも活...
サクラ踊る踊る

第10話

アルバイトは楽しく、しかも生活が安定したおかげで和志にすら優位に振る舞えるようになった。圭一は満たされ、そんな日々の喜びを幾重ものオブラートに包んだ上でネット上の友人である〈SHIZU〉に報告し続けた。〈SHIZUさん、最近ほのかはお料理の練習をしていて、今日はオムライスを習ったんだよ。しかも、卵がとろとろのやつ。お店には負けるけど、かなりおいしくできて大満足〉
サクラ踊る踊る

第9話

「安島圭一くん、二十一歳ね。あ、居酒屋の経験あるんだ。いいね」前のアルバイト先をクビにされた直後だけに緊張して臨んだ面接だったが、そんな言葉であっさりと圭一は採用された。三十代後半の夫婦二人で切り盛りする小さなカフェは落ち着いた雰囲気で、これまで圭一が務めたことのある職場のどことも異なった空気に満ちているが、それは決して嫌な感じではない。
神を屠る庭

8. 聖なる欲望

ちりちりと朝の光が顔を刺す気配にセスは目を覚ます。 長い冬を越え短い春が過ぎ、この山深い集落にもそろそろ夏がやってこようとしている。日の出が早くなると自然と目覚めも早くなり、目が覚めればすぐにでも神の使いの小屋に行きたくなるが、セスは太陽の位置を見て思いとどまる。クシュナンはまだ...
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7. 花の名を君に

男が再び目を覚ましたのは明け方のこと。太もものあたりに擦りつけられる固い感触で起こされるのは、今の生活がはじまってからは珍しいことではない。何しろ腕の中で眠る少年はちょうど少年から青年へと心も体も変化をはじめる年頃だ。色恋や他人との性的な関係など自分とは縁遠いものと自覚していた男...