醒めるなら、それは夢 21. 第1章|1947年・ウィーン
出て行かないでくれ、とだけ告げて家を出た。本当ならば仕事を休んで見張っていたいくらいの気分だったがさすがにそう言ってもいられない。ニコにあんなただれた場所での仕事を続けさせるつもりは毛頭ない。だとすれば目下レオの収入だけで二人が生活していくことになる。ハンスから受ける仕事の報酬も合わせれば最低限の生活費はまかなえるはずだが、あれだけきつくニコの嘘を責めてしまった手前これからは夜間も家にいることになるニコにどのように副業の件を切り出すかは悩ましい。
