うつくしいあし

第30話

どうやらこれ以上逃げることはできそうになかった。 宮脇に連行されたぼくはボトムを脱ぎ、義足を外して施術台に腰かけた。さっき診察室で処置してもらったばかりなのに、ガーゼにはもう血液やリンパが滲んでいる。「あーあ、いろいろさぼっちゃってますね」 穏健な態度を崩さなかった医者と比べれば...
うつくしいあし

第29話

なんとか母親との電話を打ち切ったところで再び着信音が鳴る。今度は病院からだった。予約をすっぽかし嫌味のひとつでも言われるのではないかと思っていたが、事務担当者は親切で、翌日に新しい予約を取り直してくれた。「ちょうどさっき一件キャンセルが入ったんです。明日は忘れずに来院お願いします...
お知らせ

拍手&コメント御礼

ちょっとお久しぶり? のコメント返しです。読んでいただけるだけで嬉しいので! と言いつつやはり拍手やコメントをいただけるの嬉しいです。ありがとうございます!(とはいえ強要するものではないので、無理しないでくださいね) 「うつくしいあし」怒涛の展開となっておりますね。土岐津さん、恋...
うつくしいあし

第28話

脚がひどく痛む。 左膝から下、ふくらはぎ全体がひどく腫れたような、くるぶしの骨が砕かれたような。足の甲を押し潰されているような、脚の指を引きちぎられるような――耐えがたい痛みに身をよじる。 鎮痛剤が欲しい。それも、とっておきに強いやつを。飲み薬なんかでは効かないから点滴を。それで...
うつくしいあし

第27話

宇田はぼくの脚をちろちろと舌で舐めた。喜んで、という感じからはほど遠いのは怯えているからか。 手で触れられるのとはまったく異なる感触だし、そもそもシチュエーションからして違う。怒り、苛立ち、それから胸の痛み。恋人として抱き合っていた「つもり」だった甘い行為とは対照的ともいえるこの...