まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

42.羽多野

「何って、オナホも知らないのか? さすがお坊ちゃんは違うな」 手の中にあるものを怪訝な様子で見つめる栄を、羽多野は軽口で揶揄する。「そういう意味じゃ、ありません」 からかわれたことを気まずいと感じたのか、栄はごにょごにょと、存在は知っていても実物を見たことないのは普通のことだ……...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

41.羽多野

谷口栄という男に欲望を抱くようになって以来の念願のひとつを、羽多野はようやく果たした。 天まで届くプライドの持ち主である栄をひざまずかせて、口を使わせる――行為自体は拙くて生ぬるいものだったが、それこそが経験のなさの現れとして羽多野の興奮を一層かりたてた。 強引に導いてから優しく...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

40.栄

鼻先に熱く濡れた感覚。それがどろりと頬、そして唇のあたりまで垂れてくるのに続いて、栗の花に似た独特の芳香が栄の嗅覚を刺激した。「は……?」 バスタブに膝をついたままで、右手を持ち上げておそるおそる自分の顔に触れる。粘り気のある液体を指先に取るまでもなくその正体はわかっているのだが...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

39.栄

さらに先端への刺激を続けると、羽多野の性器はぶるりと震えて栄の口の中であからさまに質量を増した。口にしているのはまだ先端だけなのに、手で触れたときより下半身に受け入れたときより、その存在感は圧倒的に感じられる。 少しでも気を抜くと唇からつるりとこぼれ落ちそうなものを扱いかねる栄の...
まぶたに蜜|心を埋める(番外編)

38.栄

《《それ》》が唇に触れた瞬間、栄の頭の中は真っ白になった。 残業と嘘をついてジェレミーと会っていたことを知って、羽多野が本気で怒っていることは理解していた。こういうときの羽多野は栄がどれほど嫌がり言葉を尽くしたところで、絶対に「やると決めたことはやる」ということもわかっている。 ...