心を埋める 24. 栄
弁当は高いものを選んだだけあって旨かった。ここ数年は日常の食生活の八割を職場に併設されたコンビニエンスストアに頼っている栄にとって久々に食べるまともな食事は格別で、臓腑に染みわたった。ダイニングテーブルに向き合って座り、それぞれ無言で弁当をつつく。食事に夢中になっているふりをしているが本心は互いに何を話して良いのかわからないだけだ――ということに、おそらくは栄も尚人も気づいている。
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