こぼれて、すくって

こぼれて、すくって

第46話

その後どうやって場をしのいだのかすらわからない。タクシーに乗り込む友安と四ノ宮を見送ったときの満足そうな笑顔を振り返れば、とりあえず栄はホストとしての任務は一通り果たしたのだろう。 一歩家を出れば外向きの顔をすることができる。どれだけ醜い嵐を体の中に抱えていても、温厚な笑顔と丁寧...
こぼれて、すくって

第45話

しかし硬直する栄をよそに、目の前では友安が喉に刺さった小骨が外れたかのようにすっきりとした表情で手を打った。「そういえばそんな話も聞いたような気がするな。だから名前を聞いてもしっくりこなかったのか、やっと腑に落ちた」「そのあたりは僕は知らなかったんだけど、聞いたところだとあっちで...
こぼれて、すくって

第44話

長尾と食事をすると話したときも羽多野がやたらと絡んできたことを思い出す。あんな面倒なやり取りをするくらいなら、羽多野がここにいるあいだくらいは長尾との予定は入れないようにするべきかと思いたくなるくらいだったが、それとこれとは話が違う。友安は元上司で、今回の食事だってある意味大使館...
こぼれて、すくって

第43話

結局昨晩も自分の寝室に戻ったのは午前一時過ぎ。風呂上がりに廊下で羽多野と出くわしたのが運の尽きだった。触れはじめれば途中でやめることは難しく、結局手練手管に翻弄されるがまま達するまで終われない。 欲望の制御が難しい年頃でもあるまいし。それともまさか、がっつくさまをみっともないと思...
こぼれて、すくって

第42話

熱く濡れたものが肌を滑る感覚にも慣れた、というか慣らされた。首筋を辿ったそれはやがて耳たぶにたどり着き、尖らせた舌先が耳孔に入り込むと、ぴちゃりと湿った音が聴覚を刺激した。「ん、あ」 思わず声を上げてしまったのは耳からの刺激のせいだけではない。下着の中にもぐりこんだ手が勃起した竿...