神を屠る庭

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12. おしゃべりな異物

リュシカと名乗った美しい少年があの大男に「アイク」と呼びかける声色や、彼に名前をもらったのだと嬉しそうにつぶやく姿を見て、セスは漠然と二人の関係は特別で尊いものなのだろうと感じていた。 気持ちは複雑だ。クシュナンと自分しか存在することのなかった小屋へリュシカという美しい異物を入れ...
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11. 生贄と抵抗

セスはそのまま眠ることができず夜を越え、朝になると部屋の前で兄を待ち構えた。「……セス」 兄は思い詰めたような顔をして部屋の前に座り込んでいたセスの姿を認めると渋い顔をする。伊達に長い時間を一緒に過ごした訳ではない。セスが昨晩の騒動に気づいていることも、今ここにいる理由も、スイは...
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10. 美しい虜

外の騒がしさにセスは目を覚ます。 若者たちが狩りから戻ってきたのだろうか。これだけ賑やかだということは、よっぽど大きな獲物をしとめたのかもしれない。セスが狩りに出ることを許されたのは結局、神の使いであるクシュナンを見つけたあの晩が最初で最後だった。 神の使いの世話役という名誉な仕...
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9. 襲撃者たち

その日の夕食には野うさぎを焼いて食べた。たいして肉はついていなかったが、他に甘くみずみずしい木の実があったので、とりあえず空腹を紛らわせることはできた。少年――リュシカは、アイクが山道を歩きながら教えてやった食べられる草や木の実の見分け方をすぐに覚えてしまい、今では食料集めにも活...
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8. 聖なる欲望

ちりちりと朝の光が顔を刺す気配にセスは目を覚ます。 長い冬を越え短い春が過ぎ、この山深い集落にもそろそろ夏がやってこようとしている。日の出が早くなると自然と目覚めも早くなり、目が覚めればすぐにでも神の使いの小屋に行きたくなるが、セスは太陽の位置を見て思いとどまる。クシュナンはまだ...