死に神の名付け親

死に神の名付け親

Chapter 1|第15話

ラインハルトの突然の発言にハウスドルフ家のリビングは静まり返った。赤ん坊を連れた比較的若いカップルから初老といっていい世代まで、十人以上の視線がさっと自分に集まるのを感じて、ラインハルトは遅ればせながら発した言葉の重さにハッと息を飲む。「君は……?」 口ひげを蓄えた男が怪訝そうに...
死に神の名付け親

Chapter 1|第14話

「だから最初から反対だったのよ」 甲高い声を耳にした瞬間、ラインハルトはルーカスを連れて事前の連絡もなしにここへやってきた自分の浅はかさを後悔した。「おい、行くぞ。やっぱりこんな……」 ルーカスに駆け寄ると腕を掴んでその場から立ち去ろうとするものの、少年の体は地面に釘付けになった...
死に神の名付け親

Chapter 1|第13話

前日とは異なりラインハルトは仕事を終えるとすぐに職場を出た。そして前日とは異なり、アパートメントの前で立ち止まり見上げると自室の窓からはうっすらと明かりが漏れていた。 安心と落ち着かなさの入り混じった複雑な気持ちで階段を上る。なにしろ、ラインハルトはこの部屋で誰かに出迎えられるこ...
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Chapter 1|第12話

ラインハルトは何とか業務開始時間に遅れることなく職場に滑り込んだ。順番に門を開けて校内を見て回っていると、ようやく心が落ち着いてきた。 どうせこの慌ただしさも明日までだ。明日は日曜日。ルーカスの親類が彼の処遇について話し合うことになっている。ルーカス自身は妙に悲観的になっているが...
死に神の名付け親

Chapter 1|第11話

翌日は土曜日だった。ラインハルトは普段と同じように仕事に出かけルーカスは学校へ行く。昨日と違うのは、身支度の物音で目を覚ましたのか、ラインハルトがリビングの扉を開けるとルーカスもソファから体を起こしたことだった。 寝起きの少しぽやんとした表情と、いくらか跳ねた金色の髪。一人暮らし...