死に神の名付け親

死に神の名付け親

Chapter 3|第45話

「何だ、君たち知り合いなのか。これは驚いた偶然もあるものだな」 わざとらしく驚いた声を上げるハウスドルフ氏の言葉は、ラインハルトの耳を素通りするだけだった。一度上を向いてしまった顔を、いまさらうつむけて気づかなかった振りすることも難しい。だが、硬直した表情でじっと見上げてくるライ...
死に神の名付け親

Chapter 3|第44話

予想外の申し出に、ラインハルトは言葉を失う。聞き間違いだろうか。今、この男は何と言った? まさか、ルーカスを養子に、だと? ハウスドルフ氏は笑顔を貼り付けたまま、しばらく反応をうかがうようにじっとラインハルトを見つめていたが、返事がないことに不安を感じたのか慌てたように言う。「い...
死に神の名付け親

Chapter 3|第43話

突然の電話で「君と話がしたいんだ」と言って、やや強引にラインハルトを呼び出したのは、ルーカスの叔父だった。 最後に顔を見たのは生活費の取り決めをしたいと言われたときだったから、もう二年近く前のことになる。あのときも、そもそも金銭を求める気はなかったラインハルトは、わざわざそんなこ...
死に神の名付け親

Chapter 3|第42話

父が懸念したような下心など一切ないと自信を持って言い切れるはずだった。少なくとも昨晩までは。でも、今は? 同じ屋根の下の少年は、やがてひとりの青年に、男になる。そんな当たり前のことを一度だって思い描かずにきた自分のことを、ラインハルトは心底愚かだと思う。 オスカルをあきらめたとき...
死に神の名付け親

Chapter 3|第41話

「おはよう」と声をかけられた瞬間、心臓が飛び跳ねた。 ルーカスはいつも通りの表情、いつも通りの態度。だがラインハルトは思わず手に持ったタオルで濡れてもいない顔を拭くふりをして、視線を合わせるのを避けてしまう。 結局ほとんど一睡もできなかった。寝不足で朦朧とした頭で、何もかもただの...