僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(13)

その日の午後はずっと変な感じだった。 授業中も休憩時間も、クラスの子たちが僕をちらちら見ては何やらささやき合っている。落ち着かなくて、嫌な気分で、だからといって自分から理由を聞くのは怖い。だから僕はできるだけ普段通りに振る舞おうとした。 理由を知ったのは、その日の授業がすべて終わ...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(12)

「見知らぬお年寄りを助けようとしたのは良いことです。ただし、どんな良いこともやり方を間違えては台なしですよ。あなたは優しくて正義感も強い。しかし、感情に任せて衝動的な行動をとる癖がこの年齢になっても治らないのは困りものです」 許す、と言っておきながらサーシャは夕食を終えてからひと...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(11)

サーシャはおじいさんといくつかの会話を交わしてから、僕にささやいた。「帰り道がわからなくなってしまったみたいですね。住所も電話番号も思い出せないようなので、とりあえず警察に連れていきましょうか」「警察?」「ええ、もしかしたら家族から捜索願が出ているかもしれません。そうでなくとも、...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(10)

僕はもう、何を言えば良いのかわからない。ただ黙っておじいさんと隣り合って座っていた。 どのくらい経っただろう、ぱっと街灯にあかりがつき、いつの間にか空がすっかり暗くなっていることに気づく。肌寒いし、さすがにサーシャも僕が帰って来ないことに気づいているはずだ。 不安に襲われる僕とは...
僕と機械仕掛けと思い出

僕と機械仕掛けと思い出(9)

いくら人の少ない公園とはいえ、話しかけてくる子どもは僕以外にもいたのかもしれない。そして、僕からはほとんどのお年寄りが似通って見えるように、お年寄りからはほとんどの子どもは同じに見えるのかもしれない。 だから、これは不安に思うようなことではないはずだ。自分に言い聞かせて、僕はおず...