恋で死ぬ。かもしれません

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15. 殴ってはみたものの

痛む体を引きずって大学にたどり着いたアカリはとりあえず教室に向かい二限の授業を受ける。そして午後、ゼミ共用の部屋に行くと当たり前の顔をしてそこにいる蒔苗に歩み寄り――。「おい、蒔苗」名前を呼んで少しだけ時間を与えるのは武士の情け。でもそれ以上は容赦しない。アカリは思いきり蒔苗の頬に右フックを見舞った。防御態勢を取っていなかった蒔苗はそのまま椅子から転がり落ちた。ついでに椅子も倒れたため、部屋にはけたたましい音が響き渡る。
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14. ひとりの朝

苦痛の中で、じわじわと意識が戻ってくる。頭が痛い。割れそうだ。強烈に喉が渇いていて水を飲まなければ干からびて死んでしまいそうだ。でも、何か口に入れたら吐いてしまいそうなくらい気分も悪い。冷房を入れたまま眠ってしまったのか、やたら寒いし、体のあちこちがひりひりする。ちなみにセックスのときに使う部分もひりつく。要するに多分、満身創痍。
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13. 眠りの落下速

「何これ」「アルコールと一緒に摂るとよく効く」「だから、何だよこれ」「睡眠薬だ。ちゃんと処方されたやつだから危険じゃない。明里はそれを飲んで寝ているだけでいい」アカリは反射的に、手にした薬のパッケージを蒔苗の顔面に投げつけた。
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12. 冷めたピザ、そして錠剤

「蒔苗おまえさ、ホスピタリティって言葉を知らないのかよ」がっくり頭を垂れるアカリの姿も蒔苗にはまったく響いていないようだ。それどころかピザが冷え切っていることなど一切気にしていない様子で、椅子にかけると食べかけの一切れを手に取り口に運びはじめる。
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11. アカリ、蒔苗の部屋を訪問する

アカリは陥落した。一回五万円の魅力は、日々の暮らしに汲々とするアカリにはあまりに強力すぎた。もちろんそれが天敵である蒔苗の申し出を受けるもので、しかもそれが蒔苗と「死体のふり」でセックスをするという奇妙奇天烈なものであったとしたも。