うつくしいあし

うつくしいあし

第27話

宇田はぼくの脚をちろちろと舌で舐めた。喜んで、という感じからはほど遠いのは怯えているからか。 手で触れられるのとはまったく異なる感触だし、そもそもシチュエーションからして違う。怒り、苛立ち、それから胸の痛み。恋人として抱き合っていた「つもり」だった甘い行為とは対照的ともいえるこの...
うつくしいあし

第26話

困ったように眉根を寄せて、視線を泳がせて、宇田は必死に言い訳を探しているようだった。ぼくに嘘をつこうとしている彼の姿を目の当たりにすれば、改めて悲しみと怒りが胸に込みあげる。 宇田が好きだった。コンプレックスを受け入れ、癒してくれる特別な人だと思っていた。 でも、何もかも勘違いだ...
うつくしいあし

第25話

「宇田さん最近全然こっち来ないんですけど、元気かなあ。会ったりします?」 よりによってこのタイミングで話しかけてくるなんて。先週までのぼくならば歓迎していたはずの話題だが、いまは宇田の名前にどう反応すれば良いのかわからない。「……ええ、たまに。相変わらず忙しそうですよ」 できるだ...
うつくしいあし

第24話

「ごめん。なんか急に辞めたり病気になったりで来週のシフトぐちゃぐちゃになってるみたいでさ……」 電話を終えた宇田が部屋に戻ってきたときには、段ボール箱は元どおりの状態に戻してあった。それでも生あたたかい外気を感じたのか、宇田は不審そうに部屋をぐるりと見回してぼくに訊く。「土岐津く...
うつくしいあし

第23話

「どうしたの、落ち着かない?」 部屋の真ん中に立ったまま、いつまでも周囲を見回しているぼくに、宇田は不審そうに声をかけてくる。「いや、宇田くんはここで暮らしているんだなと思って」「……人を招くような部屋じゃないって、これで納得しただろ」 ようやく恋人の部屋に上げてもらえた喜びも感...