うつくしいあし

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第22話

関係は順調だと思っている。 ぼくが宇田を好きで、宇田もぼくを好きでいてくれる。相変わらず週に二度は会っていて、抱き合うときも以前よりずっと恋人らしい触れ方をするようになってきた。 まだ挿入を含むセックスには至っていないが、それはただぼくたち双方に経験がないから慎重になっているだけ...
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第21話

「え、彼女? いつの間に?」 本村は目を丸くした。 厳密には「彼《《女》》」ではないが、わざわざ面倒な事情を明かすつもりはないので黙っておく。詳細を語るまでもなく、驚きと羨望を含んだ友人の眼差しに射抜かれるだけも自尊心は満たされた。「とにかく、そういうことだから星野さんと実験する...
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第20話

薄暗く狭い部屋の空気はよどみ、独特のにおいが立ち込めている。 大学の生物制御研究室に付属する飼育室。農薬や殺虫剤が研究のメインなので、実験動物といってもほとんどはいわゆる「害虫」と呼ばれるもの。哺乳類はいくつかラットのケージが置いてあるだけだ。 はじめて入ったときにはここの空気が...
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第19話

宇田のボトムを脱がせようとすると、誘われたように彼の手もぼくの左ももに伸びた。その指先が、断端を覆うシリコンを捲ろうと動く。 義足本体は外してしまったが、断端にはシリコンライナーをかぶせたままだった。ライナーの先端には義足を懸垂するための金属ピンがついているので、このまま密着すれ...
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第18話

角度を変えながら唇を噛み舌を絡ませ、宇田の歯並びをひとつひとつ確かめていく。これまでのようなふわふわと雰囲気に任せた行為ではなく、はっきりとした了解と根拠になる感情があるのだと思うと気持ちはただ高まった。 右手で後ろ頭をかき抱き左腕で腰を引き寄せ腰を密着させた。狭い玄関スペースに...